3時間を超える長い映画。
初めのうちは無関係に思えるいくつかの物語が、やがて繋がっていく群像劇。
この映画に出てくる人たちに、悪人はいない。みんな一生懸命に生きている。
妻を愛し、夫を愛し、娘を愛し、息子を愛し、あるいは愛する人を求め、愛されることを求め。そんな人たち。
物語は、取り返しの付かない過去の過ちを強烈に悔いる、死期の迫った二人の男が軸になっている。 物語の進行とともに、死期の迫った二人の男と、他の主人公たちとの関係が明らかになっていくわけ。
映画の中にこんな言葉が出てくる。
許される過ちもある。決して許されない過ちもある。気をつけることだ
人生を生きて、後悔ないなどというのは嘘だ。過去を捨てても、過去は追ってくる
死を目前に、許されない過ちを悔いる者と、その過ちによって深い悲しみを背負うことになる者。
暗く重たい話だけど、まったく唐突にやってくる思いもよらないラスト場面が、そんな気分を吹き払ってくれます。街中に大量のカエルが降ってくる、あの有名なラストシーン。
なんともグロテスクだけど、それ以上悔やむな、もう充分だと、すべてを洗い流してくれるような爽快感がある。
二人の男は、決して許されない過ちを犯し、死ぬ時まで後悔を抱えている。でも、人はそんなふうに生きていくものだ、仕方ないじゃないかっていうような、なんとなく穏やかな感情が残る、好きな映画です。
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