強烈な犯罪小説。
そもそも人間に何がわかる?俺たちが住んでいるのはひどくおかしな世界なんだよ。悪党たちが俺たちにもっと金が入るよう願っていて、善人たちがそうならないよう妨害している。おれたちのためにならないからって。
食いたいものが食いたいだけ手に入ったら、俺たちは山ほど糞をすることになってしまうからだ。そうなったらトイレットペーパー業界は大インフレだ。おれの理解するところでは、そういうことが議論されているようだ。
おれが女を殺したんだよ。二人とも殺した。
奴らには殺される理由はなかった。だけど、おれの方には殺したい理由があった。
こんなのがアメリカでは60年以上前に書かれていたという事実に驚かされる。
ずいぶん本はよんだけれど、ここが見せ場という所にくると作者は必ず頭に血が上ってしまうようだ。やみくもに言葉を羅列して、瞬く星が深い夢のない海に沈んでいくなどという戯言を並べだす。
人がものに張るレッテルは、人がどこに立ち、物がどこに置かれているかによってどうにもなるものだって見るようになったんだ。”雑草とは場違いの場所に生えた植物のことである”タチアオイがトウモロコシ畑に生えていたら雑草、庭に生えていたらそれはきれいな花だ。
これで終わりだと思う。おれたちみたいな奴らにも次の場所でチャンスが与えられるなら別だが。おれたちみたいな奴ら。おれたち人間に。
0 件のコメント:
コメントを投稿