「デッドマン」 1995年 米
脚本・監督 ジム・ジャームッシュ
音楽 ニール・ヤング
主演 ジョニー・デップ
この映画、たまらなく好きです。
なんでこんなに惹かれるんだろう。
主人公ウイリアム・ブレイクが汽車に乗って、職を求めてある街にやってきます。
紹介状を反故にされ職を得られず、その夜知り合った女性の痴情騒動に巻き込まれ、ブレイクをかばって撃ち殺された女を貫通した銃弾で自身も胸に深手を負ってしまい、女を殺した濡れ衣を着せられ、賞金の懸かったお尋ね者となってしまいます。
インディアンの大男、”ノーバディ”から傷の手当を受け、2人の旅が始まる。
ウイリアム・ブレイクの、あの世までの旅。あの世に帰る旅。
「お前を殺した奴を殺したか?」
「僕は死んでない」
「名前は?」
「ウイリアム・ブレイク」
その名の轟く殺し屋や保安官に追われる逃走劇は、静かに、淡々と流れていきます。
ノーバディに、ウイリアム・ブレイクが骸骨と重なって見える。
「君を魂の故郷に連れて行く」
ウイリアム・ブレイクの傷は悪化する。自力で歩くこともできない。
ノーバディは、あつらえたカヌーを飾り、死に装束を纏わせたウイリアム・ブレイクを乗せる。
「お別れだ、ウイリアム・ブレイク。君は生まれたところへ戻る」
雨が降る大海原を流れて行くウイリアム・ブレイク。
ノーバディに、ウイリアム・ブレイクはどう見えていたのか。
死んでいく男なのか、
死んでいる男なのか。
男があの世へと向かう物語なのか、
死んだ男をあの世へ送る物語なのか。
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