「ソロモンの指輪 動物行動学入門」 コンラート・ローレンツ著
誰がなんと言おうと名著です。
ほんと久しぶりに読みたくなったんだけど、押入れのダンボール箱から探し出すなんて、そこまではしたくない。
それで、kindle化されてないかと探してみたら、有りました。即購入。一気に読了。
”動物の話を書くためには、生きている動物たちにあたたかい、いつわりのない感覚を持っていなくてはならない。”
序文の始めのこの言葉に貫かれた、あたたかく、幸せな本です。
オーストリアの田舎暮らしのなかでの、ローレンツと動物たちとの交流や、様々な生態が描かれています。
カラスに愛されて、グチュグチュに噛んだ虫をプレゼントされて困ってしまう話。
ガンの卵を自分で温めて孵して生まれた子が、ローレンツを親だと認識してしまう話。これはあの有名な「刷り込み」の研究です。ガンの子たちを引き連れて、中腰でガン語を鳴きながら散歩をしているところを、観光客の一団に見られてしまったなんていうエピソードも楽しい。
他にも多々。
”野生の動物たちを相手とするこのような観察生活と研究の素晴らしい点は、動物たち自体も驚くほどものぐさだというところにある。真の文化をもつ暇さえ無い現代文明人の、少々馬鹿げた忙しさは、動物にはまったく縁がない”
最初に読んだ大学生の時に、中学生のころにでもこの本読んでたら僕の人生変わっていたかも、なんて思いました。
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