今晩の酒は、「夜明け前 霧訪」
冷でも燗でも美味しい、さっぱりとしたアル添。
手頃な値段もあって、愛飲してます。
こいつをちびちび飲みながら、DVDで映画「ストレイト・ストーリー」を観ました。
ディビッド・リンチ監督が気に入っておりまして、DVDを少しずつ買っています。
その中で、まだ観ていないこの映画を、しらふの時にちゃんと観るとしてちょっとだけ覗いてみようと再生してみたら、あっと言う間に最後まで観てしまいました。
一人の老人が、仲たがいをして10年も疎遠になっている弟に、おんぼろなトラクターで500キロの道のりを一ヶ月半かかって会いに行った物語。
ある日、弟が倒れたと電話があります。老人はもう目が悪くなっていて車を運転できません。それで、唯一の交通手段であるトラクターで会いに行く決心をします。
古い小さなトラクターに荷車を繋げて出発します。旅の途中、様々な出会いがあります。焚き火にあたりながら食事を分けてあげたヒッチハイカーの女性は、朝起きると、集めたひと束の焚き木を残していなくなっていました。故障したトラクターの修理の手配を親切にしてくれた夫婦。サイクリングの若者たちと一緒に野宿した夜の会話
「年をとって良い事は?」
「経験を積むから、細かいことは気にしなくなる」
「じゃ、年とって最悪なのは?」
「若い頃のことを覚えていることだ」
こんな優しい人たちとの出会いが、目も脚も悪くなった老人の孤独な旅の物語を温かい空気で包んでいます。
そして、弟との再会を果たすラストシーンの素晴らしさ。
ディビット・リンチ監督というと、「マルホランド・ドライブ」とか「ロスト・ハイウエイ」なんかのイメージですが、この映画はそれらとは全く違います。一つの物語を、順序どおり、解りやすく(笑)描いた、温かな雰囲気に包まれた作品です。
しらふの時、もう一回観よっと。
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